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横浜地方裁判所 昭和47年(ワ)1411号 判決 1975年3月05日

原告

藤林貞治

右訴訟代理人弁護士

今井忠男

外四名

被告

妙高企業株式会社

右代表者

中野和雄

右訴訟代理人

井上恵文

外七名

主文

被告が昭和四七年七月二八日開催の取締役会決議にもとづき同年八月二五日を払込期日として行なつた記名式額面普通株式七〇万株の新株発行は、無効とする。

訴訟費用は被告の負担とする。

事実

第一  当事者双方の求めた裁判

一、原告

主文同旨の判決。

二、被告

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

との判決。

第二  当事者双方の主張

一、請求原因

(一)  当事者の地位、関係

1 被告は、昭和七年八月七日設立された、発行する株式総数一四〇万株、発行済株式総数七〇万株、資本の額三五〇〇万円の製氷及び冷蔵倉庫業を主たる目的とする株式会社である。

2 原告は、右発行済株式総数七〇万株のうち六七万七一七〇株の株主であり、中野和雄とともに、被告の代表取締役の地位にある。

(二)  本件新株発行が企図された経緯

1 昭和四二年二月六日、原、被告および被告代表者中野和雄は、三者間で次のような契約を締結した。

(1) 中野和雄は、その所有している被告の株式二六万七五〇〇株を一株当り四四一円で原告に譲渡する。

(2) 本契約成立後、被告が新株発行をなす時は必ず株主割当によるものとする。

2 そして、昭和四五年七月一〇日までに原告は中野和雄に右代金を支払い、同人より右株券の交付を受けた。その結果、原告は、従来からの持株と合わせると、六七万七一七〇株(原告名義のもの三九万五七四〇株、原告の長男藤林豊明名義のもの一五万株、原告の次男藤林英世名義のもの一三万一〇八〇株、原告の実弟藤林宗源名義のもの二五〇株、原告の従弟細川富治名義のもの一〇〇株)、被告の発行済株式総数の96.7パーセント余の株式を所有する株主となつた。また、それに伴い中野和雄は、被告より一四五〇万円の退職金を受領し、被告の経営の実権を原告に移譲する態勢を整えた。そして、右経営権の移譲が円滑に進むよう、昭和四六年六月二九日被告の取締役を原告側四名(原告、藤林豊明、藤林宗源、細川富治)、中野側三名(中野和雄、菅原通雄、秋重実恵)の計七名とし、しかも中野和雄は、同月三〇日と七月一三日の二回にわたり、同年一〇月末日限り取締役社長を辞任する旨原告に約した。

3 ところが、中野和雄は、右約束の昭和四六年一〇月末日が近づくにつれ被告の取締役社長の地位を辞任することを渋り出したので、原告は、それ以来昭和四七年八月九日頃まで、経営権を円満に譲るよう中野和雄と再三交渉を続けてきた。

(三)  新株の発行

1 しかるに被告は、昭和四七年八月一一日付日本経済新聞朝刊に、左記要旨の新株発行公告を掲載した。

(1) 新株発行取締役会決議

昭和四七年七月二八日

(2) 発行する新株式および数

記名式額面(五〇円)普通株式七〇万株

(3) 発行価額 一株につき金一〇〇円

(4) 払込期日 昭和四七年八月二五日

(5) 募集方法 一般公衆から直接公募

2 右新株の発行は、中野和雄が被告の授権資本の枠が七〇万株残つていることを奇貨として、実質上中野自らが被告の発行済株式総数の過半数を保有することにより、その経営権を原告から奪還することはかつて、擅になしたものであり、その結果、被告は、右新株七〇万株全部を中野和雄の支配下にあるアドレスタイプ商事株式会社(以下アドレスタイプという。)が引受けたと主張して、昭和四七年八月二九日横浜地方法務局受付第一四三一五一号をもつて発行済株式の総数を一四〇万株、資本の額を七〇〇〇万円とする旨の変更登記手続をなした。

(四)  新株発行の無効原因

右新株発行は、左の各理由により無効である。

1 新株発行公告に記載された昭和四七年七月二八日の取締役会決議は法律上不存在かもしくは無効である。

即ち、当時における被告の取締役は、前記のとおり原告側四名、中野和雄側三名の計七名であつたが原告側四名の取締役に対しては右取締役会の招集通知がなされておらず、そのため原告側四名の取締役は右取締役会に出席していない。したがつて、右取締役会は定款に定められた取締役会の定足数たる過半数の取締役の出席がないので成立せず、そこにおいてなされたとされている右新株発行決議も法律上不存在もしくは無効である。

それゆえ、本件新株発行は有効な取締役会決議を欠くものとして無効である。

2 原告は、日本経済新聞紙上に前記のとおりの本件新株発行公告がなされたことを知ると直ちに、商法二八〇条の一〇の規定による新株発行差止請求権を被保全権利として、横浜地方裁判所に本件新株発行差止の仮処分命令を申請したが(同庁昭和四七年(ヨ)第七二四号事件)、同裁判所はこれを認容し、同年八月二一日「債務者(被告)の昭和四七年七月二八日の取締役会決議に基づき現に発行手続中の額面普通株式七〇万株の新株の発行を仮に差し止める。」旨の仮処分命令を発し、右命令は、同月二二日被告に送達された。

しかるに、被告は、これを無視して本件新株発行手続を強行したものであり、本件新株発行は、右仮処分命令に違反してなされたものとして、無効である。

(五)  よつて、原告は、本件新株発行を無効とする旨の判決を求める。

二、請求原因事実に対する認否ならびに被告の主張

(一)1  請求原因(一)1の事実中、被告が原告主張の日に設立された株式会社で、発行する株式総数が一四〇万株であることは認めるが、発行済株式数および資本の額の点は否認する。

2  同2の事実中、中野和雄が被告の代表取締役であることおよび原告が被告の株主であることは認めるが、その余の事実は否認する。原告の持株数は、昭和四七年五月一日第四六回定時株主総会から現在に至るまで一三万四二〇〇株である。

(二)  請求原因(二)1ないし3の事実中、中野和雄がその所有する株式の一部を原告主張の単価で原告に譲渡する旨契約したことおよび昭和四六年六月二九日被告の取締役会の構成が原告主張のとおりに変つたことは認めるが、代金の授受および株券の交付の事実は不知、その余の事実はすべて否認する。

(三)1  請求原因(三)1の事実は認める。

2  同2の事実中、アドレスタイプが本件新株七〇万株全部を引受けたことおよび原告主張の日に、その主張のような変更登記手続がなされたことは認めるが、その余は争う。

(四)1  請求原因(四)1の事実中、昭和四七年七月二八日開催の取締役会に原告側四名の取締役が出席していなかつたことは認めるが、その余の事実は否認する。

被告の代表取締役中野和雄は、同月二四日取締役全員に対して、同月二八日午後三時より被告本店において取締役会を開催する旨招集通知を発し、右同日午後三時より、取締役七名中中野和雄、秋重実恵および菅原通雄の三名が出席して取締役会を開き、本件新株発行を決議した。

2  同2の事実中、原告主張のとおりの仮処分命令がなされ、右命令が昭和四七年八月二二日被告に送達されたことは認めるが、その余は争う。

(五)1  被告の定款一七条は、「取締役会は社長がこれを招集するものとし、その通知は各取締役に対し会日より三日前にこれを発するものとする。但し、緊急の必要あるときはこの限りでない。」と規定し、取締役会の招集通知は、原則として会日より三日前に発すべきものとしつつ、緊急に取締役会を開かなければならない事態に備えて但書を設けている。

2  ところで、被告は、当庁昭和四七年(モ)第二〇六一号事件の判決言渡が昭和四八年七月二一日午前一〇時に行なわれることを、同月一八日に知り、代表取締役中野和雄において判決言渡の直後である同月二一日正午より緊急事態に対処するため取締役会を開く必要ありと認め、右定款一七条但書に基づき、同月一八日各取締役に対して取締役会招集通知を発し、同月二一日正午より本店において、当時の取締役七名中中野和雄、秋重実恵、菅原通雄、宮井潔の四名が出席して取締役会を開き、昭和四七年七月二八日開催の取締役会における新株発行決議および同年八月二六日の新株発行の効力を追認する旨の決議をなした。

3  したがつて、昭和四七年七月二八日開催の取締役会が定足数を欠いていたとしも、その後の取締役会において右取締役会における決議が追認されたことにより、本件新株発行は確定的に有効となつたから、原告の取締役会決議の不存在もしくは無効を理由とする本件新株発行無効の主張は失当である。

(六)1  原告主張の新株発行差止の仮処分命令は、単に被告に対して新株発行の手続を進めてはならないという不作為の義務を課すものにすぎず、それに違反しても、単に代表取締役の責任の問題を生ずるにとどまり、新株発行の効力自体には何らの影響も与えるものではない。

2  まして本件においては、右仮処分命令が被告に送達された昭和四七年八月二二日当時すでに払込取扱銀行である東洋信託銀行に新株七〇万株の申込証拠金が引受人アドレスタイプによつて払い込まれていて、あとは払込期日である同月二五日の経過を待つばかりであり、被告としてなすべき手続は何もなかつたのであるから、右仮処分命令は、はじめから効力を生ずる余地がなかつた。かくして、同日の経過とともに翌二六日に本件新株発行の効力が生じ、代表取締役は新株発行による変更登記手続をなすべき義務を負うに至つたので、同月二八日右義務の履行として前記登記手続を行なつたもので、被告には、仮処分命令違反の事実はまつたく存在しない。

3  かりに、右仮処分命令に違反したことが新株発行の無効原因になるとしても、それは、単に仮処分命令に違反したという事実そのものによつてではなく仮処分の原因となつた事実(本件においては、取締役会決議の不存在もしくは無効)の有無によつて決せられるべきである。そうだとすると、本件仮処分の原因となつた昭和四七年七月二八日の取締役会決議は、前記追認によつて有効であることに確定したのであるから、本件仮処分の原因となつた事実はそもそも存在しないことになり、結局新株発行差止仮処分命令違反を理由とする原告の新株発行無効の主張は失当である。

三、被告主張事実に対する認否ならびに反論

(一)1  被告の主張(五)1の事実は認める。

同2の事実中、中野和雄が昭和四八年七月一八日に取締役会招集通知を発したことは認めるが、同月二一日の取締役会に中野和雄外三名の取締役が出席したことは不知、その余の事実はすべて否認する。

同3の主張は争う。

2  被告訴訟代理人に当庁昭和四七年(モ)第二〇六一号事件の判決言渡期日呼出状が送達されたのは、昭和四八年七月一八日ではなく、同月一四日午前一〇時五五分であるから、右定款一七条但書を適用する余地はない。

また、右七月二一日の取締役会においては、被告主張の追認の決議などされなかつたはずである。なぜなら、右取締役会の議事録(乙第三号証の二)の確定日付は九月一七日になつているが、確定日付は本来後日に作成日を疑われたときの証のためにとつておくはずのものであるのに、作成日より二か月近く遅れてそれをとつていることは不自然であり、結局右書面が作成されたのは、おそらく九月に入つてからのことであろうと推測されるからである。

このように、右議事録に記載された取締役会決議は、適法な招集手続を欠き無効であるから、被告の追認の主張は既に前提において失当である。

3  また、さきに述べたように昭和四七年七月二八日の取締役会における新株発行決議は法律的に不存在であり、したがつて、不存在なものを追認するということは理論上ありえないし、かりに右決議が無効だとしても、無効の決議を遡つて有効とする途はないというべきである(民法一一九条参照)。

(二)1  被告の主張(六)1の主張は争う。

商法二八〇条の一〇による新株発行差止の仮処分命令は、裁判所が会社の新株発行権限を制限してその手続を停止するものであり、被告主張のように単に会社にその手続を進めてはならないという不作為義務を課すにとどまるものではない。その理由は左に述べるとおりである。

(1) 単に会社に仮処分命令に従うことの誠意を期待するにすぎないような訓示的な効力をもつにとどまる命令は、悪質な者に対しては何の効果もなく商法が二七二条のほかに二八〇条ノ一〇の規定を設けた意味がない。

(2) およそ法治国家において、裁判所が証拠に基づき、多額の保証(本件の場合一五〇〇万円)を立てさせたうえで発する仮処分命令を無視し、これに違反して強行された手続が何の瑕疵もないものとして是認されるようなことがあつてはならない。

(3) 新株発行手続は、妨害禁止の仮処分における妨害行為などとは異り、法律的な手続であるから、仮処分命令の形成的効果に親しむものであり、その差止の仮処分命令は、会社の新株発行権限を制限し、発行手続を法律的に停止すると解することに何の不都合もない。

(4) 差止の仮処分命令を無視して手続を強行するような会社においては、上場会社におけるように多数の善意の新株引受人を生ずることは、むしろ皆無といつてよい。したがつて、右仮処分命令に違反してなされた新株発行を無効と解しても、法律関係の安定を害するような事例を生ずることはまず考えられない。

(5) 以上のように解さなければ、被告のように当初から仮処分命令の効果を見越して違法、不当な手続を強行する行為を助長する結果となる。

2  同2の事実は否認する。

昭和四七年七月二四日午後、原告の代理人弁護士鏡健也、同林展弘の両名が、払込取扱銀行の東洋信託銀行虎の門支店を訪ね、支店長代理に本件仮処分命令の写しを示して事情を説明したところ、同人は申込証拠金の払込があつたかどうかについては明言しなかつたが、払込期日以前に差止の仮処分命令が発せられた以上、払込金保管証明書は発行しない旨言明した。そして、右同日現在払込がなかつたことは株式申込証が同月二六日付であり(甲第三二号証の四、六。但し、何者かがこれを二四日に訂正している。)、払込金保管証明書(同号証の三)が同月二九日付であることからも推認できる。したがつて本件仮処分命令が被告に送達された同月二二日当時は、いまだ新株の申込も申込証拠金の払込もなかつたものである。

3  同3の主張は争う。

被告の議論は、たやすく裁判(判決、決定)の無効を認めるもので、現行訴訟法の建前と相容れない。

4  なお、被告が本件新株七〇万株を全部引受けたと主張するアドレスタイプは、中野和雄がその発行済株式の六八パーセントを所有し、ほしいままに支配している会社であつて、むしろ中野和雄そのものといつてもよい関係にあり、現に昭和二一年同社設立以来前記新株発行公告の三日前である昭和四七年八月八日までは中野和雄が代表取締役社長の地位にあつたが、同人は本件新株発行のからくりのため、同日代表取締役辞任の登記をして、腹心の使用人たる訴外宮井潔を代表取締役に据えている。かかる事実関係からみると、アドレスタイプが善意の新株引受人といえないことは明らかであり、しかも右七〇万株の新株を第三者に譲渡した形跡はないから、本件新株発行を無効とするについて取引の安全保護を配慮する必要性はない。

第三  証拠関係<略>

理由

一被告が昭和四七年八月七日設立された株式会社で、発行する株式総数が一四〇万株であること、そして原告が少くとも一三万四二〇〇株を所有する被告の株主であることは、当事者間に争いがない。

そして、<証拠>によれば、昭和三二年八月三一日増資して後、本件新株発行がなされるまでの間、被告会社の発行済株式総数は七〇万株で、資本の額が三五〇〇万円であつたことが認められ、右認定に反する証拠はない。

二請求原因(三)1の事実およびアドレスタイプが本件新株七〇万株全部を引受けたとして、昭和四七年八月二九日原告主張のような変更登記手続がなされたことは、当事者間に争いがない。

(一)  原告は、本件新株の発行は、これに関する取締役会の決議を欠いており、中野和雄において擅になした無効のものであると主張する。しかしながら、株式会社の新株発行については、いやしくも対外的に会社を代表する権限のある取締役が新株を発行した以上、たとえ右新株の発行について有効な取締役会の決議がなくとも、右新株の発行は有効なものと解すべきであるから(最高裁昭三六・三・三一判決参照)、仮に本件新株の発行に関して取締役会決議を欠くとしても、原告において、右新株の発行が当時被告を代表する権限のあつた取締役中野和雄によつてなされたことを認める以上、その無効を主張することは許されず、原告の叙上の主張は、その余の判断に立ち入る迄もなく採るを得ないというべきである。

(二)  次に、原告が新株発行差止請求権を被保全権利として、横浜地方裁判所に本件新株発行差止の仮処分を申請し、同裁判所は昭和四七年八月二一日原告主張のとおりの仮処分命令を発し、同命令が同月二二日に被告に送達されたことは、当事者間に争いがない。

右の事実に照せば、本件新株の発行は、発行差止の仮処分に違反し、これを無視してなされたものといわねばならない。この点につき被告は、仮処分命令が送達された昭和四七年八月二二日には、既に払込取扱銀行である東洋信託銀行に引受人アドレスタイプによつて新株七〇万株の申込証拠金が払い込まれており、あとは払込期日たる同月二五日の経過をまつばかりであつたから、被告としてはもはやなすべき手続がなく、したがつて、新株発行差止の仮処分は当初から効力を生ずる余地がなかつた旨主張する。しかしながら、払込または現物出資の給付をなした新株引受人は、払込期日の翌日より株主となり(商法二八〇条ノ九)、このときに新株発行の効力が生ずるのであるから、株式発行差止の仮処分は右のときまでになされることを要し、かつ、これをもつて足りるといわねばならない。さすれば、払込期日たる八月二五日以前に被告に対し前記仮処分の送達されている本件においては、新株の発行が右仮処分に違反していることは明らかであり、被告の上記主張は失当である。

そこで、本件新株発行の効力について考えるに、株主が発行差止めの仮処分申請または訴の提起をしないで、単に訴訟外において口頭または書面で差止を請求している場合と異なり、差止の仮処分が発せられ、もしくは判決が言渡され(その確定の前後を問わない)たにもかかわらず、これを無視して新株が発行されたものであるときは、違法な新株の発行として無効原因になると解するのが相当である。けだし、株主による差止の仮処分申請または訴に対して、その差止理由についての裁判所の公権的判断が示されているのに、敢てかかる裁判を度外視してなされた新株の発行を有効とするときは、差止請求権を特に権利として認めた立法の目的にそわない結果となり、株主の利益保護をはからんとする趣旨が実質上無意味に帰するからである。してみれば、本件新株の発行は無効といわなければならない。

なお、被告は、新株発行差止の仮処分に違反したことが新株発行の無効原因になるとしても、それは単に仮処分命令に違反したという事実そのものによつてではなく、右仮処分の原因となつた事実(本件においては取締役会決議の不存在もしくは無効)の存否によつて決せられるべき旨主張するけれども、本件新株発行を無効とする理由は、前叙のように差止理由についての裁判があるにもかかわらず、これに違反し、これを無視したことによるものであり、右差止理由についての判断の当否を問題にしているわけではないのであるから(それゆえに、判決の場合には、その確定・未確定を問わない)、この点に関する被告の主張は、それ自体理由がない。

三以上の次第で、原告の本訴請求は正当であるのでこれを認容することとし、訴訟費用の負担について民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(中田四郎 魚住庸夫 三上英昭)

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